まちを楽しみ、人と集うくらし/岩手県花巻

 


このくらしの主:サトウ フミカさん(24歳)

宮城県気仙沼市出身。大学進学を機に岩手県へ。大学在学中から3年間、ライターとして主に岩手県内での取材や企画などをしていた。2019年8月から岩手県花巻市に移り住み、ゲストハウスの女将になった。女将業のかたわら、引き続きライターの仕事をしている。花巻に来てから、新たにグラフィックデザインの勉強もしている。

■サトウさんの活動:

ゲストハウス“meiin”  facebookページ : https://www.facebook.com/meinn.HANAMAKI/
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サトウさんのキーワード
#花巻 #気仙沼 #20代 #ゲストハウス #リノベーション #デザイン #お祭り #イベント #移動 #シェアハウス #5人ぐらし #パラレルワーカー

撮影時期:2019年8月~10月


朝9時頃に起床。朝ごはんは食べず、そのままYouTubeを観るのが日課。
YouTuberの企画動画から日常や仕事のアイデアを考える参考にしたり、好きなアーティストのミュージックビデオを見て気分を高めたりしている。

いまは一緒にシェアハウスをする予定の同年代の人たちと一緒に、ゲストハウスに住み込みをしている。みんなとの暮らしやゲストとの交流の中で、他愛ない話や人生相談など、いろんな話をする。毎日が新鮮で、一人暮らしでは気付かなかった安心感や刺激のある暮らしをしている。

部屋から共有リビングに出て朝シフトのスタッフやゲストに挨拶して、歯を磨く。私は午後から仕事がはじまるので、午前中は何かの作業をしていたり、ゆっくりと花巻巡りをしている。

 

 

 

午前中はシェアハウスになる物件の、リノベーション作業のお手伝い。
リノベーション大工の仕事もしているゲストハウスのオーナーが、10年くらい空き家になっていた一軒家をリノベーションして、シェアハウスにする予定の物件を工事している。いまはゲストハウス内に住んでいるが、この家ができあがったら5人で住む。

もともと“まちづくり”に興味があって、「リノベーションスクール」という花巻市内にある空き物件を使った事業企画を立てるリノベーションイベントに参加したことがきっかけでゲストハウスのオーナーと知り合って、ゲストハウスの仕事に誘ってもらった。
リノベーションスクールは地元の人も関心があるように見える。

 

 

 

花巻で好きな、川が見える風景。
散歩や仕事中の買い出しのときに1人で通ると、自分だけの場所のような、秘密基地感があると思っている。散歩しながらこの場所の景色を見ると、「私、花巻が好きだな」としみじみ実感する。

 

 

 

 

花巻に住み始めたばかりなので、仕事前は花巻探検的にいろんなお店でご飯。
ゲストからおすすめの観光場所やご飯屋さんを聞かれることもあるので、喜んでもらえるような情報を提供できるように空いた時間があるときは花巻市内のお店や場所を巡っている。この日は“HAIKARA-YA”のデミハンバーグを食べた。

 

 

 

14時から仕事なので、昼ご飯を食べて戻ってきた。チェックインの準備。
この日はアシスタントをしているデザイナーの方がゲストハウスに来てくれて、打ち合わせをした。前職のライターの経験を生かす形で、一緒に仕事をさせてもらっている。

 

 

 

東京から友達たちがゲストハウスに遊びに来てくれた。
ここの女将になったことで前の自分から脱皮して、新しい環境でまた一から自分のできることをやっていこうという気持ち。その中で前から仲良しな友達や前から縁のある人たちが遊びに来てくれると本当にうれしくて、感謝でいっぱいになる。

 

 

 

夜はゲストや遊びに来てくれた花巻市内の人たちと、バーカウンターで交流。この日は海外から来たゲストの方が多かった。
クラフトビールなどを仕入れているので、お酒を飲みながらゲストと話すこともある。
日本国内だけじゃなくて海外からもゲストが来るので、もっとコミュニケーションが取れるように英語も話せるようになりたい気持ちが出てきた。

この仕事をはじめる前は、スタッフとゲストが仲良くなるのはイメージができていたけど、それぞれ違う場所から訪れたゲスト同士も仲良くなって、違う店に遊びに行ったりすることがあってびっくりした。
オーナーは「まちのエントランスになる場所」としてこのゲストハウスを作ったので、花巻内外の人たちが交流して花巻の魅力を語り合い、まちを楽しむための入り口になったらうれしい。

 

 

 

18時から19時くらいで休憩を取る。
ゲストハウスの隣にある四川料理の“モダンチャイニーズ蓮”で、スタッフのまかない飯を食べることができるので、たまにお願いしている。中華料理屋さんでは珍しく、白を基調としたおしゃれなお店。

 

 

 

夜ご飯を食べてから、ゲストハウスのSNS更新。
花巻に来てからいままで知らなかった出来事や人に会うことが増えて、それをたくさんの人たちにも伝えたい気持ちからSNSでの発信が増えた。私個人のSNSもゲストハウスのSNSでも、日々の暮らしで感じたことを書いて投稿している。

 

 

 

22時くらいから、ゲストに提供する朝食の仕込み。
岩手県洋野町で作ったパンと、はちみつ。コーンスープ。コーヒーやゆで卵のセットもある。海外から来るゲストもなじみやすい、洋食のメニューにしている。その後、閉め作業。23時に館内の消灯をして、仕事が終わる。

 

 

 

ゲストハウスから歩いて5分くらいの場所に新しく整備された公園があって、週に何回か趣味のギターの練習をしている。ここでちょっと歌うこともある。

音楽が大好きで、バンドでベースを弾いていた。
歌を聴くのも歌うのも、演奏するのも好き。車を運転しているときは1人になるので熱唱しているが、いまはゲストハウスに住んでいるので、その機会は減った気がする。

 

 

 

花巻に来て、初めての花巻まつり。
何ヶ月もかけて作られた山車が商店街をまわる。伝統芸能のひとつの“鹿踊り”の行列も歩いていた。この日はゲストハウスの前で出店していて、四川料理や飲み物を提供していた。メニュー表は練習していったIllustratorで作った。

 

 

 

ある日の休み。花巻で開かれた野外音楽フェス“INAKA FESCAMP”のボランティアスタッフとして、写真撮影をしていた。
宮沢賢治童話村が会場で、夏から冬の前の時期まではライトアップされていて幻想的な空間になっている。子どもから大人まで、芝生の上を飛び跳ねて踊ったりしていて最高だった。

 

 

 

別の日の休み。東京にある“ALL YOURS”というアパレルブランドの全国試着会ツアーイベントの企画と運営。
知り合いのデザイナーと一緒に岩手編のイベント企画をした。岩手は3地域で開いて、そのうちの1ヶ所が自分の働いているゲストハウスだった。

ゲストハウスでは月に2〜3回くらいイベントを開いていて、落語やラオス料理を食べる会、クリエイターを呼んでトークセッションをするイベントなどを開いている。イベントをきっかけに地元の人たちがゲストハウスに遊びに来てくれて、遠くから来てくれた人と混ざって楽しんでもらえて本当に良かったと思う。

「田舎は閉鎖的」だと言われることもあるけど、こういうイベントが毎回新しい風を運んでくれるから、新しい体験や考え方を得るきっかけづくりになっている。

 

 

 

ある日の出勤前。友達のミウラさんに会いに、陸前高田の牡蠣の作業をしている漁港へ。
牡蠣を剥いている作業を見た。この日は漁港でイベントがあり、岩手県内の生産者や食材を仕入れている飲食店の方が来ていた。

 

 

 

別の日の休み。実家のある気仙沼へ。
前は1ヶ月に2回は実家に帰っていたが、最近はあまりたくさん帰れていない。帰省したら、家の近くにある岩井崎へ行って海を見る。海を見ていると落ち着くので、気仙沼に来たら海を見ている。

気仙沼に来たら “アンカーコーヒー”でお茶。気仙沼に帰るたびにここで仕事をしていて、お世話になっているカフェ。仮設店舗から本設店舗での営業になり、気仙沼漁港の近くに移転した。

気仙沼は揺らぐことのない、私の居場所。そして、私を待ってくれている家族や友達がいて、いつでも帰ることができる場所。ここで育ってきた大切にしたい宝物があって、守りたいと思っている。
この場所があるから、どこにいてもがんばれている。

 

 

“誰かと話すのが好きで、いろんな人が集まる「場」にいられることがうれしい。 花巻はもちろん、岩手にはおもしろいところがいっぱいあるので、たくさん楽しんで発信していきたい。 いつか、私の友達やこれから縁がつながる人たちが交わる「場」を持って、生きていきたい。そのために、たくさんの技術と知識を学びたい気持ち。“

 

 

“宿”というのは、様々な場所から人が集まる場所。

毎日いろんなゲストと接する日々は、今まで自分が知らなかった世界を知るきっかけがたくさんありそうだなあと思いながら、サトウさんの暮らしを聞いていました。

人が集まりやすい“場”があることで、人と人との間に会話が生まれ、新しい縁が繋がる。
暮らしの中に町の人と繋がれるきっかけがあることや、気楽に入れる場所があると、新しい土地に来ても心強い気がしていて、サトウさんのいるゲストハウスはそういう場所のひとつなのかなと思いました。

8月から新しくスタートした花巻での暮らしに、馴染んでいる様子が写真から伝わってきました。

この記事を書いた人:ミウラヒサコ