東京に住み、地方のためにはたらく

「街から地方へと 風景が移り変わっていく」

東京に住み、地方のためにはたらく

東京都世田谷⇔千葉県いすみ

このくらしの主
テラサワ ソウタさん(29歳)

岩手県出身。地方の大学を卒業後、大学院進学で上京。大手組織設計事務所に就職後、転職し現在の不動産コンサルティング会社へ。
東京を拠点に、”不動産”の視点から地方創生に数多く関わっている。
撮影時期:2019年1月〜2月

■テラサワ ソウタさんの活動

人混みが苦手な自分にとってはちょうど良い街

8時半、会社に向かう。

今日は東京での仕事の日。最寄りの梅ヶ丘駅までは、歩いて5分程。落ち着いた雰囲気の商店街を通っていく。
梅ヶ丘は、人混みが苦手な自分にとってはちょうど良い街。東京の西側にある世田谷の街で、利便性も良い。

 

 

通勤時間は1時間程

9時半過ぎ、会社に到着する。

会社のある森下駅は、東京の東側のエリアで、通勤時間は1時間程。会社はこの建物の2階で、1階には喫茶ランドリーというカフェがある。

店員さんとは顔見知りで、一言交わしてから事務所に入るのが日課。

 

 

お昼の休憩は公園で。

昼ご飯はコンビニなどで買って、事務所の近くの公園で食べることが多い。森下は下町っぽさのある街で、小さな商店や畳屋さんなどがちらほらあり、都心とは違い、落ち着いた雰囲気。

 

 

ネオンが多く、雰囲気は一気ににぎやかになる

午後は会社の外で打ち合わせがあった。

この日の打ち合わせは神田。事務所からも近いエリアなのだが、ネオンが多く、雰囲気は一気ににぎやかになる。帰りに会社のメンバーと飲んで帰った。会社のメンバーは、自分と同じくらいの年代が多い。

 

 

別の日の朝7時過ぎ、東京駅で特急に乗る。

この日は、千葉県のいすみにある事務所に出勤する日。いすみは会社が行っている地方創生プロジェクトで、自分が担当をしているエリア。週に2〜3日ほど東京から通っている。

 

 

いつも電車は東京湾側の席に座るのが自分のこだわり

東京からいすみに向かう車窓から。

いつも電車は東京湾側の席に座るのが自分のこだわり。街から地方へと風景が移り変わっていくのを眺めるのが好きだ。ちなみに、この写真の右側に写っているのは、東京オリンピックの水泳の会場。

 

 

8時半過ぎに大原駅に到着。

東京の駅のホームとは違って、人も少なく視界が開けて開放感があり、地方にきたという実感が沸く。
のどかな田舎の駅に、都会的な列車が到着するというアンバランスな感じも面白い。

 

 

歩いている人は少なく、閑散とした印象がある

駅前の商店街を通って事務所に向かう。

この商店街は、いすみのなかでは大きな商店街であるものの、車社会のせいで歩いている人は少なく、閑散とした印象がある。

 

 

9時前には事務所に到着する。

事務所は商店街の脇を50mくらい入ったところにある。商店街から2分と近い場所なのに、とても静か。ここで作業するときは、好きなラジオを聴きながら作業をしている。好きな時間に休憩もできるし、作業効率がよいと思う。

この事務所は千葉大といすみ市の産学連携プロジェクトでリノベーションをした建物の一画を間借りしている。千葉大の研究室もあるため、週末には大学生もいる。

 

 

お客さんや千葉大の学生など、人と食べることが多い

お昼ご飯を食べに出かける。

ここは商店街にある定食屋さん”源氏食堂”。この日は東京からお客さんがきたので、食べに出かけた。東京では、公園で一人で食べることが多いが、いすみではお客さんや千葉大の学生など、人と食べることが多い。

 

 

午後は町で空き家探しや調査などに出かける

午後は町で空き家探しや調査などに出かける。

活用できそうな空き家がないか探したり、情報をもらって物件を見に行ったりする。空き家探しで良さそうな物件があると、ネットワークを使って活用できそうか情報収集をして可能性を探っていく。ちなみに2枚目はお寺で、これについても活用を検討中。

いすみ市での業務では、こうした空き家のコンサル(主にオーナー側の)のほか、地方ビジネス創生のための「いすみラーニングセンター構想」というプロジェクトを行っている。「ラーニングセンター」は、いすみなど地方でのビジネスに興味がある人たち向けのビジネススクールで、空き家のコンサルより「ラーニングセンター」の運営の方が今は柱になっている。

 

 

自然に囲まれたいすみの風景から人に囲まれた風景に一変する

いすみ出勤の日、大原駅から東京駅に帰るころは20時過ぎ(終電になると22時過ぎになる)。

東京駅で電車を降ると、自然に囲まれたいすみの風景から人に囲まれた風景に一変する。この人の多さで東京に帰ってきたことを感じる。

 

 

週末、この日はいすみ市と協働で、オーナー向けの空き家活用セミナーを開催した。

公募で20名くらいが参加したこのセミナーでは、社長が登壇して空き家の活用方法を紹介した。こうした空き家オーナー向けのセミナーはいすみだけでなく、九州から東北まで各地で行っている。

 

 

別の日、日曜朝に大原の港の朝市に行く。

いすみでは、事務所のメンバーとオフサイトミーティング(事務所とは別のところで行う合宿型のミーティング)を行うことがあり、泊まった翌日が日曜であれば、この朝市で朝食を食べる。

この朝市は、大原駅から徒歩20分くらいの港で毎週日曜に開催されているもの。商店街の雰囲気とは異なり、かなりの人でにぎわっている。

 

(聞き手:カトウ シュン)

 

今でも一つの場所や働き方にこだわる必要はないと思っている。東京でも地方でも、さまざまな地域に出向き、その場所のコンサルティングに関わっていきたい。