子育てと自然と。くらしながら考える環境教育/北海道旭川


このくらしの主:キクチ ケイさん(35歳)

北海道旭川出身。幼少期から高校までを旭川で過ごし、その後ニュ ージーランドの大学で開発学・環境学を学ぶ。卒業後は青年海外協力隊としてケニアの環境教育NPOで2年間活動。帰国後JICA本部での勤務を経てフィンランド、ヘルシンキ大学大学院でアフリカの持続的森林管理を研究。卒業後は、国際協力のコンサルタントとしてバングラデシュやバリ、フィリピンなどで活動。第2子誕生を機に子どもを育てる環境を考え、2018年から旭川にUターン。Sanagy(株)を立ち上げ、古い歯科医院の建物をリノベーションした複合施設 nest co-livingを立ち上げる。グローバル・アントレプレナーシップ教育や新規事業のコンサルタント

キクチさんのキーワード
#旭川 #30代 #移住 #Uターン #子育て #環境教育 コワーキングスペース #幼稚園 #4人家族

撮影時期:2019年12月~20年3月

 



朝は8時前頃に奥さんに起こされて起床する。
ギリギリまで寝ていたいタイプなので、忙しく支度して朝食も軽く済ませ子どもを車で幼稚園に送る。

 

 

 

幼稚園にある水槽。鮭を卵から育てて、地元の有志団体のイベントで牛朱別川(うしゅべつがわ)に放流する。
この幼稚園は実は奥さんの出身園、自然体験を重視している方針も魅力に感じて通わせることにした。

 

 

 

子どもを幼稚園に送った後、9時過ぎから旭川駅近くに開店したスターバックスで仕事。
本当は地元のカフェで仕事をしたいので、作業しやすい場所を探し中。

旭川駅の北口は昔からの繁華街が広がっているが、南口はここ数年整備が進んでいるエリアで、公園や川も近く、山々の稜線が見えるような緑が多い地区。中心地から自然溢れる風景を望めるのも旭川の魅力だと思う。

 

 

 

17時過ぎに幼稚園の預かり保育が終わるので、子どもを迎えに行く。
同じように迎えに来ているお母さん方と世間話をする。送り迎えはお母さんという家庭が多い中、自分だけお父さんなので珍しい存在だと思う。
旭川に戻って2年足らずだが、子どもがいると親同士で話すきっかけや共通の話題を持てるので、地域のコミュニティに入り込みやすい。子どもが縁を繋げてくれるように感じる。

 

 

 


幼稚園からの帰りにちょっと寄り道。
幼稚園自体は住宅街にあるが、車で2~3分も行けば田園風景になる。畑に車を停めて寄り道したり、夏で日が長くなれば公園に寄ったりもする。

 

 

休日の朝は子どもと近所を散歩する(ダイエットも兼ねて、30分くらい歩く)。
家の近くは畑と住宅街の境にあって土地が開けている。シンプルライフ協会の松本和巳さんが手がけたタイニーハウスも散歩コースの中にある。松本さんが農家の方と一緒に建てたタイニーハウスで民泊などで宿泊もできる。

 

 

 

別の日の休日、この日は幼稚園で育てた魚の放流イベントがあった。
子どもたちと一緒に参加する。幼稚園が主催というイベントではなく、地元の有志団体の主催イベントで親子で楽しめる。
希望する家族は幼稚園から家に卵を持ち帰り、育てた魚をこのイベントで放流する。

 

 

 

放流イベントの後には休日のコースにもなっている旭山動物園へ。
車で10分くらいで着くし、子どもの遊び場も多い。それに市営なので入場料も手頃で、年間パスも1人1000円ととても安いこともあって、休日はよく利用している。

首都圏に住んでいた頃は、自然が近くないし、自然を感じようとして動物園や水族館などに行くとなれば、家から駅まで歩き、電車を乗り継ぎ、目的地まで歩き…と一日がかり。往復の移動だけでもクタクタになっていた。
こちらに来てから移動手段が車に変わったが、どこへ行くにも30分以内で気軽に行くことができるし、移動のストレスがかなり減ったように思う。休日は行きたいところを3~4箇所回ることも珍しくない。

 

 

 

旭山動物園の後は、旭川の隣町、東川町にある「北の住まい設計社」のギャラリーでランチ。
「北の住まい設計社」を立ち上げたのは夫婦で、旅をしたスウェーデンでの経験から家具作りを始め、今では家も手掛ける道内外でも有名な会社になった。ここは東川町の中でも外れにある廃校になった小学校を借り受けて作られた施設で、彼らが手掛けた家具や雑貨、カフェなどがある複合施設になっている。
「北の住まい設計社」のある東川町は地域活性化に積極的な自治体で、雰囲気の良いセレクトショップや道外からの起業家などの移住も増えている町。こういうエリアも旭川からも車だと30分くらいで行ける。

 

 

1つ目の風景は札幌から旭川に行く間にある深川町での一コマ。
子どものプールに行く途中の畑のある道沿いで白鳥を見つけた。
2枚目は、白鳥が飛び立つ風景。こういう瞬間に出会えたことも、きっと子供にとって大切な記憶になっていくと思う。

撮影した3月には、旭川各地で白鳥の群れをよく見かけた。(写真ではわかりにくいけど、白鳥がたくさんいる)この日、車から降りてしばらく白鳥を観察する。春の雪解けシーズンに北上している途中なのかもしれない。

 

 

市街地から程近い神楽岡公園を散策する。リスを良く見かけるがこの日は会えなかった。
明治時代には天皇の離宮をこの地に作る計画もあったらしく、広大な敷地が整備されて公園になっている。

ほかにも神居古潭だったり、朱鞠内湖だったり、古くからの土地に子どもたちと散策に行くこともある。環境活動に携わっていると全てが未来志向過ぎて、土地の過去との繋がりが希薄に感じることがある。今後はそうした土地との繋がりが大事になってくると思うので、積極的に自然に赴き、学ぶようにしている。

 

 

 

コロナウイルスの状況下で仕事もオンラインの時代になり、地方も都会も関係なくなったが、気が付いたのは伝えられる情報量が少ないこと。
手掛けていきたい教育事業では五感の育成などは、伝えられる情報量が少ないオンラインで難しい部分もある。そうした部分を事業として考えていきたい。
日本中・世界中がシームレスになり、地方の可能性はこれまで以上に増してきている中、自然とのアクセスも近い旭川で環境や教育という面で事業を模索していきたいと思う。

 

 

 

コロナウイルスの流行をまたぐ19年12月〜20年3月で撮影してもらった今回の記事。僕は名古屋に住んでいますが、子どもが喜ぶようなスポットはことごとく密になってしまうので休日も家にこもるしかなく、撮影された時期は子どもたちのストレスを心配する日々を過ごしてました。旭川周辺には密にならない子ども喜びスポットがたくさんあって子持ち世帯としてすごくうらやましい環境だと思います。
旭川の隣町の東川町は、過疎でも過密でもない、「適当に疎が存在する町」=「適疎」をコンセプトに長年まちづくりを進めているそうです。これからは「疎」の環境を求める人が増えるのでは?と旭川で気持ちよく生活する菊池さんの話を聞きながら思いました。

この記事を書いた人:サワモトハジメ