もやもやを抜けてみつけた、自分らしさのありか
千葉県いすみ
このくらしの主
ミツホシ チエさん(36歳)
千葉県出身・在住。大学卒業後、東京の人材会社に就職。東京での生活に違和感を感じ、7年前に千葉県のいすみ市に移住。今はいすみ市でシェアハウス、私設図書館、カフェを運営しながら、東京の会社でも仕事をしている。
撮影時期:2018年9月
■ミツホシ チエさんの活動
空模様をみてその日の予定を決める
朝7時起床。起きるとまずは天気の確認。
空模様をみてその日の予定を決める。この日は快晴だったので、ベンチを並べて布団を干すことにした。
天気によってその日の過ごし方を決めるようになったのは、移住してから。
外で布団を干していると、野良猫がご飯を食べにやって来る。
ヤマトと呼んでいる猫で、半年前から我が家の常連さんになっている。
長い付き合いなのに、いっこうに触らせてくれない。
家を借りたら付いてきた裏庭の畑スペース
10時頃、畑の草刈りをする。
ここは家を借りたら付いてきた裏庭の畑スペース。かなり広い。
農薬を使っていないので、1か月ほどで草がぼうぼうに生えてしまう。
移住した頃、野菜作りなどいろいろやってみたが、思ったより手間とコストがかかって大変だということがわかった。(買った方が安いことが多々ある。)
最近は、自分の愉しめる程度にしている。
天気のいい日は外で食べることが多い
お昼、草刈りを終えて、夫とお昼ご飯。
天気のいい日は外で食べることが多い。借りている家が古民家なので、冬は家の中よりも外の日向の方が暖かいというのもひとつの理由。
猫を通して、住人同士の会話が生まれる
午後、運営しているシェアハウスの掃除をしに行く。
家から車で5分ほどのところにある古民家をシェアハウスとして貸し出していて、5人ほどが住んでいる。ここに移住してきた後、6年前に始めた。なにもわからない中、不安を抱えながらはじめたので色々と思い出が詰まっている。
シェアハウスのキーパーソン(?)の1人は猫のミルク。当初はシェアハウスが古民家なので、ネズミ対策用に飼っていたが、今ではシェアハウスのコミュニケーションの潤滑油になっている。猫を通して、住人同士の会話が生まれる。
一人一品持ち寄ることが多く、みんなキッチンに立ってそれぞれの料理をする
19時半くらいにシェアハウスのみんなと夫も一緒に晩ご飯。
一人一品持ち寄ることが多く、みんなキッチンに立ってそれぞれの料理をする。
ご飯の後はみんなで天気予報をみて、明日の予定を立てるのが日課になっている。そのあとも、シェアハウスでみんなと話しをしたりして、22時頃、家に帰宅。24時くらいには就寝する。
今日は週に1回の東京での仕事の日
別の日、今日は週に1回の東京での仕事の日。
午前は家事をして、午後に東京に出てくる。仕事場は新橋が最寄。ここまでは車と高速バス、メトロでやってくる。家から二時間ほど。
仕事場に行く途中、虎ノ門ヒルズの近くを通る。
いすみでもリモートで仕事はできるが、定期的な打ち合わせは東京まで出向くことにしている。直接人と話すことで生まれる空気感は、リモートではなかなか得られない。人と仕事をする時、そういう空気感を持つことが大事だと思っている。
20時過ぎ、東京駅の近くで帰りの高速バスを待つ。
日中は1時間に1本のペースでバスが出ているが、夜になると本数がぐっと減る。20時台のバスを逃すと23時まで便がない。電車の方が本数が多いが、最寄りの駅からの家の距離を考えるとバスと車を使った方が楽。
東京の夜景はけっこう好きで、いすみとのギャップもあって面白い
東京の夜景はけっこう好きで、いすみとのギャップもあって面白い。
7年前、東京に住んでいたときには、それをたのしめる余裕はなく、仕事に、くらしに、もやもやしていた。
日曜と月曜は運営している私設図書館の開館日
日曜と月曜は運営している私設図書館の開館日。
シェアハウスの敷地内にある納屋を利用したもので、4年前にはじめた。地域の方に開放していて、移住者や、空き家活用などを考える行政や企業の方が視察に来ることもある。
本を通して、人がつながっていくのが実感できて、やりがいを感じている。
これは、運営している星空スペースの2周年イベント。
自分たちが住んでいる家のスペースを利用して、土曜から火曜までカフェ営業やフリースペースとして貸出しをしている。
カフェでは移住を計画している人が来たり、フリースペースとしてヨガレッスンが行われたりする。この日のイベントはご近所の方が出店してのイベント。ヤギもいたり、ビアガーデンがあったり、自由なイベントになった。
この頃はお米の収穫のシーズン。
この日は星空スペースのカフェとご近所の農家さんとがコラボしての稲刈りイベント。田植えのシーズンは田植えイベント、収穫のシーズンは同じ場所で稲刈りイベントを行う。東京在住者や移住者の参加が多い。
どっちが悪い、良いではなく、どっちも良さがあると思う
家やシェアハウスの周辺に広がるのどかな田園風景。
目の前は田んぼ。田植えの時期は鮮やかな緑に、収穫の時期は黄金色に染まった田んぼが日常の風景になる。こういう田園風景は大好き。でも同じように都会の夜景も好き。
どっちが悪い、良いではなく、どっちも良さがあると思う。
(聞き手:カトウ ミワコ)
自分の活動の原点は、都会で感じたもやもや感。自分のチャレンジを通して、都会でもやもやしている人に”自分らしく働くことができる”こういうくらし方があることを伝えていきたい。