とにかく都会から離れたい【東京編】

時間とお金をかけて、自然をもわざわざ消費しにきている という感覚

とにかく都会から離れたい【東京編】

東京都江東区

このくらしの主
ヨシバ ショウコさん(38歳)

北海道大沼出身。東京都在住。大学で上京、卒業後就職。現在は個人でウエディングプランナーやWEB運用を行っている。大学3年の時にオーストラリアへ留学した時に自然の中で過ごす楽しさを感じ、休みがあれば自然の中で過ごす日々。3児の母。

朝早くても、一歩外に出ると都会には人がいて、人疲れしていた

朝6時ごろ、子どもたちが起きてくる前に、近所の公園を朝ランする。
地元の中学校で放課後走らされていたこともあり、今でもたまに走りたくなる。(中学校では、毎日何kmか走って半年で120㎞を達成する120㎞マラソンというのが恒例の行事だった。)
この時間でもランニングしている人は多くて、朝早くても、一歩外に出ると都会には人がいて、人疲れしていた。

 

 

 

ランニングの途中でみた朝日。
都会から離れたい気持ちではいるけれど、「どこにいても陽は昇るんだよなー」と思って撮った一枚。
何を暮らす場所なんかで悩んでいるのか…。そんな気持ちになった。

 

 

 


子どもたちを保育園に送る。
保育園に送ったあと、この自転車で週数日働いている丸の内のカフェや、1、2週間に1回打ち合わせに行く築地に行く。
電動自転車ってめっちゃ便利。電動自転車はすごいアシストしてくれているので、たまにマウンテンバイクで通勤してみると、電動の偉大さを実感する。

 

 

 

子どもは子どもでその環境を楽しんでいるんだな

登園の途中、子どもがセミを見つけていた。
自然が少ない東京にやさぐれた気持ち(都会での子育てについても)だったけど、子どもは子どもでその環境を楽しんでいるんだなと感じた瞬間だった。

 

 

 

丸の内へ通勤する途中の川。
川があるのが気持ちいい。橋の途中で川を眺めている人がいたり、帰りに月を眺めている人がいたり。都会の暮らしの中で、ほっとする風景。

 

 

 

地元へいつでも帰れるように飲食の経験を積みたいと思って働き始めた

大体20分ほどで丸の内に到着。
この丸の内では週に数回程度、カフェで働いている。働いているのは、バリスタのライセンスなども取れたりする大きめのカフェ。地元へいつでも帰れるように飲食の経験を積みたいと思って働き始めた。
北海道に帰る前だったので、「ビルしかないなー…」っていう気持ちで見上げていた。

 

 

 

別の日、築地に打ち合わせに行った。
築地では、数社のサイトやSNS運用の仕事をしていて、1、2週間に1回打ち合わせに行っている。10年くらい前、年末の築地で働いてみたくて、飛び込みでお願いしたらすぐ採用してくれて働きだしたのがきっかけ。その頃、働いていたお店にはサイトがあったけど機能してもいなかったので、「私がやります!」と言ってやり始めたら、そこ繋がりでほかのお店からも仕事が来るように。
ここは海老屋さん。ほかにも専門店がいろいろあるから、打ち合わせの時はプライベートの買い物も兼ねていたりする。

 

 

 

築地は路地裏も楽しい

築地は路地裏も楽しい。いろんな専門店がある。
子どもと一緒にくると、気がつくと子どもがお菓子をもらっていたり、マニュアルじゃない接客が受けられるのが好きで、人間味が溢れていて心地いい。

 

 

 

週1、2回は在宅で築地などのお店のサイト運用の仕事をしている。
打ち合わせで受け取った商品を撮影して、ECサイトにアップしたり、SNSにアップしたり。
会社員時代にお店の情報を掲載する仕事をしていて、撮影や記事のライティングをしていたので、その経験を生かしてやっている。
この時は小学生の長男がオンラインで学校の朝の会に出席していた。
窓の外には、隣のマンションの壁しか見えないことにどうしても地元との違いを感じてしまう。

 

 

 

在宅の日、午前授業で帰ってきた長男と近所のブルーボトルコーヒーに行った。
行ったのは1年ぶり。近所にはカフェがめちゃくちゃあるが、意外にも行く機会がほとんどないことに気がついた1枚。

 

 

 

この辺りは相撲部屋が多くあり、よく遭遇することがある

子どもたちが夏休みだったので、図書館に読書感想文の本を借りに行った。
図書館の建物が古く、たたずまいが好きなんだよな、と思って撮ったら、お相撲さんが偶然フレームに入っていた。
この辺りは相撲部屋が多くあり、よく遭遇することがある。鬢付け(びんつけ)油の甘い香りですぐに気が付く。

 

 

 

 

数年前から、東京の夏を楽しむようになった

自転車で10分くらいのところにある屋外プール。
これまで東京の夏はじめじめしていて嫌いだったけど、千葉の外房に波遊びに行ったり、シュノーケリングしに行ったり、この屋外プールに行ったりと、数年前から東京の夏を楽しむようになった。
というのも、地元北海道の夏は寒くて海にも入れる期間が短く、学校のプールもみんな唇を青くしながら入る感じで水遊びに馴染みがなかった。それに対して東京の夏の水遊びが暑いからこそ気持ちよく、楽しいということを知ったら、病みつきになった。

 

 

 

毎週末、千葉に通っている生活

車で1時間ほど走らすと千葉の田園地帯が現れる。
毎週末は千葉に通っている生活で、佐倉や君津などいろんな場所に行っている。

 

 

 

この日は千葉の物井にある自給自足教室の田んぼに行った。
この教室は千葉の森で出会った人に教えてもらったもので、月2回が作業日で農作業を楽しみたい人から本格的に農家を目指す人まで、いろんな人が参加している。

 

 

 

帰りには直売所で野菜を買って帰る。
直売所の野菜は新鮮で安いので帰りに買うことが多い。

 

 

 

シンプルな労働が心地よく感じる

友達の古民家改修を手伝いに行った。
江戸時代くらいに建てられた古民家で、友達が買った時、柱は大体スポンジ状で中はぼろぼろの状態だった。そこを改修して宿などに使えるスペースにする予定らしい。
東京では頭がフル回転している状態だけど、ここでは草をむしったり、壁を壊したり、単純な作業を体を使ってやる。そのシンプルな労働が心地よく感じる。

 
手伝いに集まった人の中には、田舎は好きだけど都会を選んで住んでいる人もいた。その人になんで都会に住むのか聞いたら、「自分の田舎には価値観が合う人が少ない」ということだった。私の場合は逆で、移住者が多くいるということもあり、地元の方が特に子育てなどの面で価値観が合う人が多い。私は東京を選んで住んでいるのではなく、家族の都合で住んでいるだけだという感覚。だから、 そういう良さもあるのかぁと、おもしろく聞いていた。

 

 

 

時間とお金をかけて、自然をもわざわざ消費しにきている、という感覚

別の休日、朝3時半頃に家を出て山梨の本栖湖に遊びに行った。
湖に行くときは山梨などに出ないといけない。本栖湖まで120㎞あるのだが、とにかく渋滞するので朝早く出て行くことにしている。
折り畳みのカヤックで湖を散策したり、レジャーシートを広げて外でご飯を食べたり。とても気持ちがよく、楽しい!ただ、ここに来るまでに、時間とお金をかけて、自然をもわざわざ消費しにきている、という感覚になり、なんだかなぁという気持ちになる。



(聞き手:カトウ ミワコ)

※ヨシバさんの暮らしの後編【大沼→東京編】は1月下旬ごろ公開予定です。1か月半東京を離れ、地元北海道大沼で過ごした日々を経て帰京後、暮らしや思いがどう変わったのか。後編の公開をお楽しみに。

 


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