海と山の中でいとなみ、愉しむ
北海道松前
このくらしの主
クマキ マサノブさん(34歳)
北海道函館市出身・松前町在住。東京の大学を卒業後、東京でシステムエンジニアとして就職。その後、Jターンで松前町に移住。現在は漁業組合の職員として働く。
撮影時期:2018年2月~5月
窓から外を見ると海はしけていた
朝7時頃、窓から外を見ると海はしけていた。
天候がよく、漁がある日は朝4時くらいから漁の荷受けの仕事を手伝う。この日はあいにくの天候で朝のお手伝いはなかった。
知り合いの漁師さんからイカを頂いたので、食パンとイカ刺しが朝ご飯になった
7時過ぎ、朝ご飯を食べる。
早朝の作業があるときは、4時頃に”早朝ご飯”を食べ、その後一旦帰宅してこの時間帯に”朝ご飯”を食べる。この日は、知り合いの漁師さんからイカを頂いたので、食パンとイカ刺しが朝ご飯になった。
さえぎるものもなく、海と緑が広がるのどかな通勤風景
8時過ぎ、職場に車で向かう。
さえぎるものもなく、海と緑が広がるのどかな通勤風景。
9時に仕事が始まる。
担当は、漁業組合の購買部。漁師さんたちに、漁に使う道具を販売する仕事で、最近入社した23歳のUターンの子と2名で担当している。
網や長靴などを売るだけではなく、船の給油も購買部の仕事。
船の給油口にガソリンスタンドのように給油する。
雪降る中、ほっけの養殖場での餌やり
購買部での仕事以外に、時期によっては他の作業をフォローすることもある。
雪降る中、ほっけの養殖場での餌やり。ほっけは釣ってきたものを生け簀に放ち、大きくする。
これは港で魚の荷受け作業の様子。
こうした作業もフォローする。
漁師さんたちの公的な手続きを行うこともある。
松前を管轄するのは、函館にある渡島支庁なので、たまに函館まで行く。
金欠のときはこれで食いつなぐ
18時過ぎ、仕事が終わり、家で晩ご飯。
遅くなる時は外食する場合もあるが、自炊もする。カニはたくさんもらうと冷凍してとっておく。贈答用にすることもあるが、金欠のときはこれで食いつなぐ。
「節約したいときにカニを食べる」なんて、東京で暮らしていた時は想像もしていなかったので、少し変な感じがする。
週末、漁業組合がさくらまつりの場所で出店を出したので、サポートしに行く。
松前は桜が有名で、その季節になると城址公園でさくらまつりが行われる。いろいろな出店が出るが、漁業組合ではうに丼をふるまった。
趣味で畑を借りて行者ニンニクや浅葱を育てている
休みの日は借りている畑に行く。
趣味で畑を借りて行者ニンニクや浅葱を育てている。1枚目に写っている畑でこの間ヒグマに会った。目が合ったが、難を逃れた。結構危険と隣合わせ。
前の仕事だったプログラミングは、今では趣味としてやっている
前の仕事だったプログラミングは、今では趣味としてやっている。
仕事の息抜きでもある。
自分の船で釣りをすることもある
自分の船で釣りをすることもある。
船は移住したときに漁師さんから船外機や停留場所込みで40万くらいで購入した中古の船。松前の人は子どもから大人まで釣りをする人が多く、船を所有している人も多い。
1時間くらいでこのくらいの量を釣ることができる。
これは放水の訓練
松前では動ける人はほとんど消防団に入っている
休みの日には、所属している消防団の訓練や作業が入ることがある。
これは放水の訓練。松前では動ける人はほとんど消防団に入っている。
真裏はすぐ海だ
消防団では、津波対策の一環として非常階段のある高台の草刈りをすることもある。
ここは家の裏の高台で海を見渡せる場所。家のある場所は海抜1mくらいしかないと思う。真裏はすぐ海だ。
ちなみに家は50万で購入した。田舎事情で持ち主が家を離れていて、購入してもらいたいということだった。賃貸だったら5000円という話だったけど、都会に比べたら本当に破格。
(聞き手:カトウ シュン)
今後も松前で漁協の仕事を続けていきたいと思っている。ただ、地方でくらしていると、都会でのくらしに惹かれるときもある。たとえば、地方にいながらVRなどのテクノロジーを使って、都会的なくらしも享受できるようにならないかなと、期待している。