仕事とくらしのバランスを模索する日々
東京都江戸川
このくらしの主
カトウ ミワコさん(35歳)
千葉県出身・東京都在住。大学在学中に一人暮らしを始めてから、ずっと東京住まい。今は結婚し、夫と二人で東京の東端に位置する江戸川区に住みながら、広告会社に勤める。
夫が出勤するのを見送ってから、朝9時頃、家を出て会社に向かう。
大きな集合住宅を縫って通勤する
駅までは大体10分程度。
ここはファミリー層が多く住むエリアで、大きな集合住宅を縫って通勤する。この時は桜の時期。集合住宅の小さな裏庭に見事な桜が咲いていた。
ザ・東京という感じで高層ビルが林立するエリアに会社はある
地下鉄で小1時間、会社のある六本木に到着する。
ザ・東京という感じで高層ビルが林立するエリアに会社はある。会社は主に企業のプロモーションを企画する会社で、自分はマーケティングの部署で仕事をしている。いろんなデータを見てプロモーションのヒントを見つける業務で、何かを探っていくことが好きな自分としては楽しくやりがいがある。
お昼、六本木から移動して打ち合わせに向かう。
仕事はデスクワークが中心だが、打ち合わせも頻繁にあり、出向くことが多い。クライアントやパートナーは、新宿や渋谷、日本橋とあらゆる所にいるが、東京は地下鉄が張り巡らされているので、大体どこでも20分以内でたどり着ける。
ちなみに、木の囲いがされているのは首都高。東京では道路も地下鉄も、東京オリンピックが近いからか、あらゆる所で工事している。
この日は終電近くの24時頃に仕事が終了
この日は終電近くの24時頃に仕事が終了。
仕事柄、作業が立て込んでしまう時期があり、終電帰りが続いたり、時には終電を逃すこともある。(もちろん毎日ではない。)こう遅くなってしまうことがあっても、この仕事は嫌いではない。でも、平日に仕事以外の時間をもう少し持ちたいと思うし、混んだ電車や終電で帰るのは好きではない。
“仕事”と”くらし”のバランスが今は仕事寄りなのを、もう少し”くらし”に舵を切りたいと感じている。
駅の高架下の商店街はどこも店じまいの後
最寄り駅に到着すると、駅の高架下の商店街はどこも店じまいの後。
この時間には、同じように帰宅を急ぐ人たちや、千鳥足で歩くほろ酔いのおじさんしかいない。
家に着くと夫はすでに就寝中。
忙しい時期は夕食をとるのも別々の行動にならざるを得ないが、19時頃に帰ることができる時は夕食を作って一緒に食べている。
月に2回は新宿に生け花を習いに行っている
休日、月に2回は新宿に生け花を習いに行っている。
生け花は花を使って風景を作るというもののため、立体的に空間を把握しなくてはならない。いつもパソコン業務で2次元的なものしか扱っていないので、頭の体操になる。
習って1年。一向にうまくならない。
海外から移住している人たちも多く、多国籍なエリアでもある
休日になると自転車で散歩に出かける。
ここは散歩コースにある緑道。このエリアは東京の中でも緑が多く、緑道や公園がたくさんある。
住みやすいため、ファミリー層が多く住んでいる。中国、韓国、そしてインドの人と海外から移住している人たちも多く、多国籍なエリアでもある。
ダイナミックな橋梁が望める好きな景色
荒川に架かる橋が首都高と交差するこの土手も散歩コース。
さえぎるような高い建物はなく、ダイナミックな橋梁が望める好きな景色。この日のように天気のいい日に散歩すると、とても気持ちよい。
近くの公園はお花見シーズンになると、たくさんの人とテントであふれる。
公園の中には桜並木があり、その下がお花見エリア。東京の人口密度に比例するかのように、お花見の場所でも人が密集している。
この公園には小さな動物園も併設されている。
ウサギやヤギなどと触れ合えるコーナーやペンギンに会えるコーナーなど、小さな園にも関わらず、たくさんの動物に会える。
この地区に住む前、イメージはそこまで良くなかったのだが、住んでみたら、案外緑も多く、遠くに行かなくても遊ぶ場所もあり、買い物もしやすいとわかって、良いイメージに変わった。(ただ、チェーン店などが多いので面白味にちょっと欠ける。)
実家に帰るたびに、悲しいけど東京の方が良い環境に感じてしまう
休日、たまに千葉の実家に帰っている。
東京の外れに引っ越してから、実家の千葉とは距離が近くなったが、車で帰ると渋滞が付きものなので電車で帰っている。
実家のある場所は工場地帯で駅前からも工場の煙突が見える。工場があるためか、この辺の空気は良くないし、真夏は光化学スモッグで子どもたちは遊べない。実家に帰るたびに、悲しいけど東京の方が良い環境に感じてしまう。
(聞き手・語り手:カトウ ミワコ)
将来、子どもが生まれたら、環境のよいところに移り、仕事からくらしへと重心をシフトしていきたいと思っている。そのためにも、いまはそのバランスの取り方を模索する時期だと思っている。